日本インファントマッサージ協会  Japan Association of Infant Massage 

雑誌取材記事 保健婦雑誌第55巻第8号 1999年8月10日発行 医学書院


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インファント・マッサージをご存知ですか?
東京都稲城市第2文化センター「ベビーマッサージ教室」
草間裕子
インファント・マッサージという言葉を聴いたことがあるだろうか。乳幼児に対するオイルマッサージのことで、母親が赤ちゃんをマッサージすることでスキンシップを高め、親子のコミュニケーションが深まり、赤ちゃんの気持ちも安らぎ、豊かで健やかな発育を促す効果があるという。

今年の5月、東京都稲城市第2文化センターでは、誕生直後から9ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんとそのお母さんを対象に「ベビーマッサージ教室」が行われた。1コース全4回で、週1回1時間、1コースにつき7組、2コースで計14組の親子が参加した。講師は英国でインファントマッサージインストラクターの資格を取得した草間裕子さん。
最終日のこの日、朝からの激しい雨と風にもかかわらず、ほとんどのお母さんたちが休まずに教室を訪れた。草間さんの指導のもとマッサージが始まる。まず、お母さんたちはティースプーン1杯ほどのゴマ油を手に取り、赤ちゃんの耳元ですりあわせる。これはラビング(rubbing)という動作で、赤ちゃんがその音を聞いて気持ち良い経験を連想できるようにするためである。そしてこれまで3回の教室で習ったことを確認するように真剣に子どもをマッサージする。最初は泣いたりぐずったりする赤ちゃんも多かったようだが、4回目ともなると慣れてくるのか、とても気持ちよさそう。また、お母さんたちはみんなそれぞれ家で毎日マッサージを実践しているようで、家で気づいた疑問点などを草間さんに熱心に質問する。「マッサージの途中でぐったりするときがあるんだけど、そういうときは止めたほうがいいの?」「マッサージされると赤ちゃんも疲れるから、そういう時はそこまででおしまいにしてあげたほうがいいよ」1つひとつ丁寧に答えながら、草間さんの指導は進められていく。お母さんたちも熱心にメモを取る。

教室が終了して、帰り仕度ができてもお母さんたちはなかなか帰らない。「これは何歳ぐらいまでつづけていいの?」「上の子にもやってあげたら、すごく喜んで、調子もよさそう」草間さんへの質問や、お母さん同士の情報交換がいつまでも続く。
この教室を企画した稲城市教育委員会の山田達哉さん自身も、幼い子どものお父さん。「家にも小さい子どもがいるからつい子供のことに興味がいってしまって、母子の企画が増えてしまうんです。インファントマッサージにも私自身がすごく興味を持ちましたので、この教室を企画しました」と語る。そのせいか、「乳幼児のための教室はすごく少ないのでとてもうれしかった」「親子一緒に参加できるのがうれしい」「またこういう教室があればどんどん参加したい」と教室に対するお母さんたちの評判も上々だ。

乳児のころからきちんとスキンシップを持つと、親子間にしっかりとした信頼関係が生まれ、いい親子関係が築きやすくなるという。社会で子どものことがいろいろと問題になっている今こそ、多くの人にインファントマッサージを知ってもらいたい。         取材日 1999年5月24日

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